ゆかたの裁断、印付け サイズを解説します
こんにちは。国家検定一級和裁士の着物仕立て装々です。
先日Youtube でゆかたの作り方を解説しました。ライブのご参加ありがとうございました。
動画ではいまいちよく分からない部分もあると思いますので
この記事はゆかたの印付けの解説の補足をまとめました。
今回のシリーズでは皆さまにも挑戦していただきやすいように
一般的な裁縫道具で印付けをしますね。
完成した浴衣でお出かけしてきました
浴衣の作り方解説
ゆかたの柄合わせ、裁断はこちらです
簡単なゆかたの柄合わせのポイントと専門知識、
裁断の寸法はこちらの動画で解説しています↓
おすすめ定規
ゆかたの裁断寸法
見頃の長さ =(身丈)=身長+11cm 「わ」で2枚
衿おくみ =かけ衿丈(51cm)+くりこし1こ(10cm)+衽下がり(40cm)+衿流れ(およそ70cmほど)+縫い代5cm 「わ」で1枚
又は 身長(身長の低い方は+縫い代8cm) 「わ」で1枚
袖 =53cm 「わ」で2枚
着物やゆかたの裁断は台の上に蛇腹にたたんでおきます↓
↑装々さんは裁断用の大きな机があるのですが、みなさんは↓このようなヘラ台を広げて裁断印付けをするのがおすすめ。
ヘラ台
ゆかたの印付け解説
このブログと↓の動画を一緒に見ながら印付けをしてみてくださいね。
ゆかたの寸法
巾のサイズ
まずはヒップサイズから割り出す寸法です。
ご自分の寸法に近いサイズの寸法をメモしておいてください。
後幅、前幅、おくみ付け線、おくみ巾になります。
長さのサイズ
続いて身長から割り出すのは 肩幅、袖巾 こちらは裄丈になります。
妻下、おくみ付けの長さ、衿付けの流れの長さです。
妻下は身長の半分。
おくみ付けの長さ、衿付けの流れの長さは表の寸法を参考に
実際の寸法を測って印を付けます。
さらに詳しいサイズ表はこちらです↓
印付け
和裁は型紙を描きません。反物にそのまま印を付けていきます(その方が簡単だからです)
下記の印のつけ方を簡単にメモして、ご自分の寸法を書き込んでから印付けをすると
段取り良く印付け出来ると思います。
後ろ見頃の印はこちらです↓
前見頃の印はこちらです↓
前見頃の脇は後ろ見頃の脇の印を写します。
おくみを付ける線を書きます。
チャコ
装々さんおすすめの柔らかくて後で残りにくいチャコはコチラです↓
ただ柔らかいので折れやすいので優しく使ってください。
へら ルレット
チャコの印をヘラやルレットで写します
電気コテ
衿とおくみを切ります
衿とおくみの布はおくみの方を2cm大きくして縦に長細く切ります。
おくみの糸印の方を広く切るので、間違えないように確認してから切りましょう。
プロ仕様 装々さんおすすめの庄三郎裁断ハサミはコチラ↓
おくみの印はこちらです↓
おくみは左おくみを下に置いて右おくみを重ね、以下のように印を付けます。
下のGの線までの縫い代は2cmです。ここが妻下になります。
Iの衿の流れは衽を身頃に縫い付けてから印をつけます。
衿の印はこちらです↓
かけ衿丈を51cmの輪、または102cmの丈で切ります。
印のつけ方 動画の補足
印付け台の上に見ごろを置きます。
見ごろをそれぞれ半分に折って背縫いの糸印を左右に並べて
手前の見ごろをパタンとして上に重ねます。(↓右見ごろの上に左見ごろが重なっているところ)
上を一枚めくって糸印の所の布をつまんで一番上の生地を下へ送ります。
そうすると下から左前、右前、右後ろ、左後ろという順番に置くことが出来ます。
前見頃同士が中表、後ろみごろ同士が中表です。
裾を自分の右側にして裾と手前の縫い代を綺麗において、上の肩山まで揃えます。
この時に肩山の長さが違っていたら山をそろえて下へずらし 裾で切って同じ長さに切り揃えてください。
くりこし
肩山に平行に針を三本刺します。
この山を裾に向かって3cmずらします。ずれた布は肩から60cm位したでダブらせておいてください。
ここが繰り越しになります。
後ろ見頃の印を付けます。
衿肩明き
衿肩明きを切ります。
最初に山に付けた針のところを切ります。
布端から8cmで印を付けて
肩山は10cmのところに印を付け自然なカーブでつなぎます。
上半身豊満ボディーの方は10.5cmにするといいです。後で衿の印が変わります。
間違えて切らないように上二枚のところに厚紙を挟んで二枚だけ切ります。
おくみ付け線
手前の上二枚をめくって前幅を書きます。
脇線から下へ前幅C23cmを取ります。
Ⅾは7cmになると思います。
切り口から25cm下がった所でⅮ+1.5cm、Eを書きます。
バストが90cm以上ある方はEとⅮは同じ寸法にします。
かけ衿
かけ衿102cmで切ります。半分に折って51cmの輪で切ってもいいです。長さを間違えないように切ってください。
切ったところから15cm位上がったところに上向きの柄があると着た時の柄が綺麗です。
短い方がかけ衿、長い方が地衿です。
衿肩明きを10.5cmで大きく切った方は
地衿の左下 34.5cmのところを35cmに変更してください。
袖
お袖は印を付けながら縫っていきますので、先に印付けをしません。
外表に↓印を付けて青線の5mmの所を縫います。写真の左下の ●–~ は 袖振りの糸印です。
袖底の5mmを縫ったら切り込みを入れて裏返します。
↓の印を付けて、赤線の8cm丸みを書いて袖口下から袖底を縫います。
縫い方はライブでじっくり解説していますので、ぜひご覧ください。
ということで 難しそうなところを補足解説してみました。
とはいえ動画の方が分かりやすいと思うので
ぜひ動画をご覧ください。
豊満ボディーのサイズはこちらです
装々さんが使っている和裁道具はこちらです
今回の動画で使っているヘラ台、平和チャコ、コテ以外にも便利な道具を紹介しています。
浴衣をライブでじっくり解説しながら縫っています。ぜひご覧ください。
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コメント
装々様
はじめまして。
浴衣が完成してひと言御礼申し上げたくコメントを書いております。
4月の末にお店で浴衣の反物を衝動買いしてしまい、着られるようになるのは来年の夏かなあなんて途方に暮れておりました。(なにせ我が家には和裁の知識のある人間がいなくて、よくわからない古い和裁の教本しかなかったので)
そんな時、装々さんの浴衣の作り方のページと動画を見つけて、なんとか完成させる事が出来ました。
ゆるーくでって言葉に勇気づけられました。
YouTubeもできる様になったらチャンネル登録を出来るといいのですが。
完成度は…ですが安いプレタより可愛く出来た!と思って今年の夏はこの浴衣でお祭りに行こうと思います。
装々さん本当にありがとうございました。
長襦袢の作り方もアップされていたので、次は夏の長襦袢にもチャレンジしようと思います。ありがとうございます!
いしげさま
こんにちは!ご報告ありがとうございます。とってもとっても嬉しいです。
自作の浴衣は愛着が別格ですからたくさん着ていい思い出をたくさん作ってくださいね!