子供浴衣の寸法解説
何センチ買えばいい?サイズ、裁断図のまとめ
こんにちは!着物仕立て装々です。
梅雨が明けたのか、毎年の事ながら急に暑くなってきましたね。
装々さんは暑いのも寒いのも苦手な超わがままさんなのですが
今年の夏は動画投稿を頑張りますのでぜひお付き合いをお願いします。
さて今回は子供の浴衣のサイズと裁断を解説します。
布屋さんでどのくらいの長さの布を買えばいいかも解説します。
買ってきた浴衣もいいですが丁寧に一針ずつチクチク縫った浴衣はまた格別です。
あまり解説されることのない男の子の浴衣の作り方も紹介します。
男の子と女の子の浴衣の違い
男の子と女の子の浴衣の身頃の部分は同じ作りですが、袖の形が違います。
男の子の浴衣の袖は筒袖と言って法被(はっぴ)のような形をしています。
鯉のぼりの口の形に似ているので鯉口とも言います。
女の子のお袖は長めの中振袖と
短めの元禄袖(げんろくそで)があります。
今回は華やかな中振袖の作り方を解説します。
参考までに元禄袖は30~40cm位で作ります。短いお袖も可愛いので悩みますね。
作り方は同じなので中振袖の作り方を参考にしてください。
装々さんおすすめの和裁道具 裁縫道具
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浴衣の裁断寸法
まずは浴衣を切る寸法です。このブログでは例題として身長100cmの女の子の寸法を使って解説していきます。
裁断寸法は全て縫い代が入っているのでこちらの表で割り出した寸法で切って下さい。
見頃
下の表の身長から見頃丈と身頃幅を割り出します。寸法の割合と用紙の割合がおかしいのはスルーしてください。
身長100cmの子の身頃は250cm×27cmを2枚切ります。
間違えないで切ることが出来る方は 115cmの「わ」×27cmで切っても大丈夫です。
間違えて輪を切ってしまうと浴衣になりませんので気を付けてください。
おくみ
おくみというのは浴衣の前身頃についている細長い布のことです。
おくみの寸法は以下の通りです。
身長100cmの場合は おくみ丈113cm×18cmを2枚切ります。
おくみに関して
一般的に子供のおくみは前巾を広く取って つまんで縦縫いをして「つまみおくみ」にします。
子供用の特殊な仕立てなのですが、大きなお子様は別付けのおくみがいいので、
小さい子も別付けおくみで解説します。
今回はおくみを別に切って後付することで、おくみの幅を広く取るので浴衣がはだけにくく上品に着ることができます。
また、つまみおくみより簡単で衿を綺麗につけることが出来ます。
つまみおくみの 作り方を知りたい方はリクエストをしてくださいね。
衿
えりは長細いのを一枚切ります。
身長100cmの時は175cm×9cmです。
呉服屋さんで浴衣の仕立てを注文すると 衿には掛け衿が付いているのですが
今回は衿付けが簡単にできるように掛け衿は付けません。
初めてでも衿をスッキリ作ることが出来ます。
袖
女の子の袖は133cm×35cmを2枚。
下の表の一番上の 女児丈 と 2段目の 幅 のところから数字を割り出します。
男の子の袖は2段目の 幅 と 一番下の 男児丈 の数字を割り出します。
100cmの子は35cm×45cmを2枚ですね。

裁断図
布屋さんで売っている90cm幅の生地を切るときはこんな感じで切ります。
裁断の仕方は動画の方が分かりやすいと思うので 印付けと縫い方の動画と一緒に解説をします。
近日中に公開するのでお楽しみにしていてください。
残布の部分で腰ひもを作ってもいいですね。
腰ひもを作る前に燃え尽きてしまったときはこちら↓
大人用の腰ひもを半分に切って左右の衿に付けます。
買ってくる布の長さ
ということで裁断寸法を↑で解説しました。
必要な布の長さはこちら。裁断見頃丈+裁断袖丈です。
縫い代が入っている裁断寸法なのですが、端数になるので少し大きいキリの良い長さを買ってきてください。
100cmの女の子なら3m90cm買えばいいってことですね。
ご自分のお子様の浴衣を仕立てる時は良いのですが、お孫様の時(特にお嫁様のお子様の場合)勝手に布を選んで来て仕立てますと
お婆様の選んだ生地がどんなに世界最高峰でも、第〇次嫁姑戦争が勃発する可能性も否定できません。
先に相談して仁義を通しておくことを強くお勧めします。
なお、嫁姑戦争が勃発しましても装々さんは一切関知しませんのであしからず。
印付け寸法
先ほどまで書いていた寸法は裁断寸法なので縫い代の含まれている寸法です。
こちらは印付けの寸法なので、この寸法を書き出しておいて実際に印つけをしていきます。
浴衣は印をつけながらさらに裁断をしていくので、こちらも動画で紹介したいと思いますが、
参考までに記載しておきますね。
女の子の袖の寸法は表のピンクの部分から。
男の子の袖は水色の部分から割り出してください。
白い所は共通サイズですので身長から割り出してください。
すべての大きさが若干大きめになっています。
四捨五入で上のサイズと下のサイズで別れてもいいですし、お子様はすぐに大きくなるので大きく作ってもいいと思います。
身長140 cm以上のお子様は
身長が140cm以上あるお子様は、子供用に作っても、来年着れなくなってしまうと思うので、
大人の浴衣で十分だと思います。
若干大きいと思うのでもし仕立てをするなら、大人の浴衣の衿の幅を少し細くしたり
衿肩まわりの切り込みを小さくし、身幅を狭くして作ってもいいかもしれませんが、
大人の浴衣の肩上げ腰上げをしても十分着られると思いますし、すぐ大人サイズになると思います。
大人の浴衣の解説はこちらです。

肩上げ腰上げ
子供の着物や浴衣の特徴の一つに肩上げと腰上げというものがあります。
手の長さに合わせて肩のところでつまむことを「肩揚げ(かたあげ)」と言います。
着た時にくるぶしの丈になるように着丈を縫い上げておくことを「腰揚げ(こしあげ)」と言います。
肩上げと腰上げをすることによって、より幼児性を強調して可愛らしく見せることができます。
余談ですが舞台で大人の俳優さんが子供役をなさる時にも肩揚げをしておきます。
舞妓さんの着物にも肩揚げと袖の揚げがありますね。
舞妓さんが一人前になって芸妓さんになると揚げが取れるわけです。
子供物の肩上げの解説動画はこちら
腰上げの解説動画はこちらです
動画を見てなんだか小難しい事言ってるなと思うかもしれませんが、
まあぶっちゃけお子様に浴衣を羽織らせて、浴衣の長い分を肩の所と腰の所で縫い摘んでおきましょう。まあそういうことです。
腰揚げの時に解説しているように衿元に腰紐は必ずつけておきましょう。
浴衣がはだけてしまいます。
着物のリメイク動画
洗える着物をリメイクする動画を YouTube にアップしています。
こちらもぜひご覧ください。
上品ワンピースの作り方
ワンピースの残布でサブバッグ
まっすぐ縫うだけ簡単リメイク
動画ではお裁縫の基本をじっくり解説していますのでぜひ見に来てくださいね。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
着物仕立て装々でした。
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