こんにちは。
国家検定一級和裁士着物仕立て装々です。
この夏も「浴衣をお仕立てしました」報告たくさんいただきました。
旧TwitterXやインスタに写真付きで完成報告いただけると
とってもとっても嬉しいです。
夏の間頑張って浴衣を縫っても来年の夏まで和裁道具を仕舞っておいたらせっかく覚えたお仕立てを忘れてしまいます。
でも浴衣の次に何が縫えるかわからない
という方のために、今回は
和裁のお仕立て難易度ランキング(個人差あり)を解説します
浴衣の次はこれを仕立ててみて! 和裁難易度ランキング
レベル1
浴衣
もうこれは絶対に浴衣から縫ってみてください。
基本的に着物とゆかたの構造は同じなのでどんな風に裁断してどんな風に縫うのか和裁の基本が分かります。
最初は失敗するかもしれません。
衿とおくみを間違えて切ったり、衿肩明きを破ったりというのがよくある失敗です。
裁断さえ間違えなければ縫い直しで何とか形になるのがいいですね。
浴衣の柄は
細かい小紋や縦筋のような柄、または上下が分かりにくい柄の反物を選ぶと柄合わせがしやすいです。
浴衣独特の大きな飛び柄↓は柄合わせがちょっと難しいです。
特にウサギや猫のような逆さまになると気になる柄は数枚縫ってから柄合わせに挑戦してみてください。
↓このように裁断や
↓印付けの基本がわかるようになったら他にもいろいろ縫えるようになります。
浴衣の作り方解説 (動画あり)
浴衣の作り方はこちらで解説しています↓
女物でも子供物でも男物でも
寸法と形が若干違うだけで構造は同じなのでぜひチャレンジしてみてください。
ウソつき衿
浴衣を単衣着物風に着るためのうそつき衿の作り方です。
暑い日に長襦袢を着なくてもいいのがありがたい。
単衣のモモンガコート
和裁とはちょっと違いますが、洋服にも着物にも合わせやすいモモンガコートです。
羽織を縫うのはちょっと難しそうだけど羽織るものが縫いたいわ!という方にお勧めです。
半幅帯
半幅帯も切って芯を入れるだけなので簡単に作れますよ。
何本か作ったのでデザインの参考にした下さい↓
帯芯は軽くて涼しい夏用のトビー織りがおすすめです。
レベル2
さて、孤軍奮闘しながら浴衣をお仕立て完遂したあなたにはこちら。
単衣着物 バチ衿
何のことはない単衣着物のバチ衿は浴衣と全く同じに作れます。
生地の難易度としては
- 木綿
- ウール
- 紬 ←仕立て前に簡単にアイロンがけ
- 化繊
- 絹、ちりめん
- 大島紬
- 絽や紗など透けるもの
という感じです。青文字からはレベルアップする感じになります。
①②木綿とウールは浴衣と同じように仕立てて最後に仕上げアイロンで綺麗に仕立てた感が出せるのでお勧めです。
③紬は仕立ての前にアイロンがけをして地直しっぽいことをすますが、基本的にあまり地の目は悪くないのでお仕立てできると思います。
少し厚みがあるので衿付けが曲がりやすいので注意です。
④化繊の着物(洗える着物) ここからぐっとレベルアップします。
化繊の着物はシャリシャリとして生地同士が滑りやすく布端をそろえにくいのでちょっと縫いにくいです。
そしてコテで印も見えにくいです。チャコでしっかりと印を写しておきましょう。
化繊はアイロンやコテで溶けてしまいます。必ず中温以下にしてください。
アイロンの形に穴が開くから本当に気を付けて!!
⑤絹、ちりめん(たれもの と言います)は仕立ての前にしっかりと地直しをします。1mあたり1~3cmほど縮みます。
ということは先に縮ませておかないとコテ掛けのたびに たて縫いの所が縮み、
着物を着たら体温で縮んでしまうので引き攣れた感じのシワシワ残念な着物になってしまいます。
地直しは仕立ての出来を左右します。地直しが失敗すると綺麗にできませんので
最初は面倒でも地直し後一日置いてもう一度地直しをしてさらにもう一日置いてから裁断をしましょう。
無地や小紋が柄合わせがなくておすすめ
⑥大島紬は地の目がとても悪いです。絹たれものの地直しが出来ないと大島の地直しは難しいと思います。
生地自体はほとんど縮まないのでたて縫いの時の針打ちのバランスが悪くてもコテで縮ませてなじませることが出来ません。
さらにコテ掛けがきちんとできないとスッキリ仕上がりません。
と、なんともプロ泣かせな生地なのです。
⑦絽や紗など透けるものは 大島紬が縫えたらスッキリ綺麗に仕立てられるでしょう。
特に絽は横の透けた所を筋を通して縫いますので透かしながら仕立てます。
ということで地の目が見えないと綺麗にお仕立てできません。
なんちゃって風で良ければ絹の単衣が縫えれば仕立てられると思います。
単衣着物の解説はこちら↓
名古屋帯
半幅帯を作れたら名古屋帯も作れますよ。
レベル3
単衣着物 広衿 かけ衿別付け
浴衣と同じ仕立てで単衣着物が出来たら今度は広衿に挑戦してみましょう。
着物の反物のほかに単衣着物用の衿裏を使います。
先に地衿を縫ってからかけ衿を後からくけ付けます。
単衣の広衿はこちらで解説しています
袷着物を単衣にリメイクの動画なのですが、途中から広衿の縫い方の解説をしていますのでご覧ください↓(クリックすると衿付けから始まります)
袷着物を単衣着物にリメイク
もう着物を解いてばらばらにしてもどのパーツか分かると思います。
これからは単衣着物の時期が長くなりそうですね。
袷着物の裄直し
着物の形が分かるので裄直しに挑戦してみるのはいかがでしょう?
長襦袢
単衣
単衣の長襦袢は洗える化繊や麻の生地がいいでしょう。
長襦袢 単衣用の反物を買ってくださいね
今度単衣長襦袢の仕立て方を解説したいと思います。
胴抜き長襦袢
長襦袢の反物は胴抜きと袷用の反物と単衣長襦袢用の2種類の反物があります。
胴抜きは袷長襦袢の裏地がないものだと思ってください。
最近は寒い時期が短いので胴抜き長襦袢がおすすめです。
袷長襦袢
袷の着物を仕立てる前にぜひ袷長襦袢を仕立ててみてください。
身丈や身幅のつり合いを上手に仕立てられないと袷の着物を上手に仕立てられません。
地直しをしたり、裏地の少し控えた感じとか練習してみてください。
袷長襦袢の仕立て方解説はこちら↓(動画あり)
単衣の羽織
単衣の羽織も浴衣が縫えればお仕立てできます。
生地の難易度は↑の単衣着物と同じですが、地直し失敗しても分かりにくいので
是非 地直しが必要な生地で仕立ててみてください。
単衣羽織の仕立て方解説はこちら↓(動画あり)
レベル4
袷羽織
袷の羽織も地直しをして裏と表のつり合いを見ながら仕立てます。
袷の着物とほぼ同じ袖の形になります。
羽織用の羽尺(はじゃく)の反物はせいぜいヒップ丈位です。短めがいい方は羽尺でいいと思いますが、
最近は長羽織が流行っているので普通の着物の反物で作ると裁断を間違えにくいです。
羽尺だとマチ丈と袖口布が足りなくて失敗しやすいんです。
袷羽織の裏地は
羽裏というのを使います。
可愛い羽裏があるので見ているだけで楽しくなりますね。
羽裏は長襦袢の生地でもOKです。
両方滑り易くて着る時にさらっと重ねる為の生地ですね。
最近は長襦袢の方が柄の種類が豊富ですね。
袷のモモンガコート
そろそろ袷のモモンガコートも仕立てられると思います。
アンティークの着物でお値打ちなのがありましたら是非。
↓こちらはお客様のモモンガコートです。とっても高級感があって素敵ですね。
レベル5
袷着物
お待たせしました。ついに袷着物の仕立てが出来そうです。
絹の無地や小紋がハードル低めです。
木綿の着物に化繊の裏地、胴裏と八掛を付けてみるのもいいでしょう。
着尺の反物と一反分の胴裏、八掛を使って仕立てます。
袷着物の仕立て方↓
胴抜き着物
袷着物と胴抜き着物とどちらが簡単かと言われるととても難しいのですが
くけがある分胴抜きの方が面倒で、裏地がない分つり合いが悪くならないので胴抜きが気軽。
という感じです。
こちらは着尺と八掛で作ります。
レベル6
附下 訪問着
附下や訪問着は柄合わせが必要です。
もちろん柄部分の地直しが均等に出来ていないと柄合わせはできません。
特に掛衿の柄合わせがあるものは和裁教室に行かないと自力では難しいと思いますので
掛衿が続き柄になっていないものから仕立ててみてください。
振袖
訪問着が縫えたら ただ袖が長いだけなので振袖も縫えますよ。
総柄は難易度高めです。
上級者
留袖
留袖は比翼という中に別布のなんちゃって着物みたいなのを重ねて縫います。
モコモコになるので着物をスッキリ仕立てられるようになったら仕立てます。
ちょっと装々さんが仕立てた留袖の写真がなかったのですが
↓こちらは留袖をリメイクして舞台衣装のお引きずりにしたものです。
留袖が縫えたらお引きずりの比翼も作れます。
各種コート
コートの形は色々ありますが袷着物が縫えれば縫えるのですが、教科書などで調べた時に型紙や裁断図、衿の完成形を読み取る力が必要になります。
装々さんが仕立てたちょっと変わった着物
装々さんは舞台衣装とか仕立てている和裁士さんなのでちょっと変わった仕立ての着物もお仕立てしています。
こちらは岡崎城でご活躍の グレート家康公『葵』武将隊 稲姫さまの打掛です。
冬の寒い時期に着ていらっしゃると思います。
フリルの着物や↓
フリフリ着物も仕立てます。
↓こちらは波々カットの着物です。
延々と波々を縫っていくんですよ。
国家検定一級和裁士 装々さんに仕立てのご依頼はこちら
途中で分からなくなったものも装々さんが仕上げをしますので心置きなく和裁を始めてみてくださいね。
注文の流れや注意点をご確認下さい
後記
ということで浴衣の次にお仕立てできそうなものを紹介してみました。
是非 和裁の世界を楽しんでください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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