着物を単衣羽織にリメイク解説
こんにちは!着物仕立て装々です。
今回はマジョリカの着物を解いて単衣羽織にしましたので解説をしてみたいと思います。


マジョリカは裏にたくさん金糸の横糸が見えているのでチラ見せするのもおしゃれですよね。
以前の単衣羽織の作り方は初心者の方のためにcmで解説しましたので
今回は尺寸で解説しましょう。

cmの単衣羽織はこちらから
単衣羽織にリメイク 解説
動画解説はコチラです↓
動画内で印付け、縫い方をじっくりと解説しています。
今回の羽織に使う材料
●解いた着物用の生地
アンティークショップで買った超短い着物や、お婆様お母様の思い出の着物などで丈が短くて着にくいものでも大丈夫です。
●新モス
反物幅が狭い場合は着物の衿で袖巾を出しますので代わりに衿の芯は新モスを使います。
他に解いた着物や裏地があればそれでもOKです。

コテ掛けの当て布も新モスですよ
装々さんおすすめの裁縫道具はこちらです↓

羽織の寸法は着物から割り出しします
着物の寸法は今から仕立てる羽織の下に着る着物と寸法を合わせます。
お手持ちの着物の寸法を測ってくださいね。
着物の寸法の測り方はこちら↓

地直し
まずはアイロンをかけて生地を綺麗にしておきましょう。

リメイクの場合、もう生地は縮まないのでさらっとアイロンかけでOKです
装々さんの愛用ティファールのアイロンはコチラ
羽織のサイズ
身丈
まずは羽織丈の割り出し方です。
身長×6÷11 6分丈
身長×7÷11 7分丈
身長×8÷11 8分丈
計算した寸法をメジャーで肩から測って確認してみてください。
7分丈だとひざ下より少し長いくらいになると思います。最近は7分丈が流行りですね。
長すぎるのが苦手な方はひざ丈くらいの6分丈がおすすめ。
8分丈はふくらはぎ位です。
お尻が隠れる位の昭和羽織の丈は 身長÷2+2cm です。参考までに。
袖丈
袖丈はお持ちの袖丈から割り出します。
羽織袖丈=着物袖丈ー5分
通常の着物は1尺3寸ですので、1尺2寸5分で作ります。
着物には帯を締めるので袖丈が持ち上がります。なので羽織の袖丈の方が短くなっているのですよ。
色々な袖丈が好きな方は一番長い袖丈の着物に合わせておくと着回ししやすいと思います。
袖巾
羽織袖巾=着物袖巾+2分
着物の上に羽織るので少し長くなります。
逆に長襦袢は袖巾を2分短くします。
着物を起点に2分ずつ変化させると覚えておきましょう。
袖付け
着物は5寸5分か6寸が多いと思います。
羽織袖付け=着物袖付け+2分
肩幅
肩巾は着物と同寸です。
基本的に袖巾を変更させて肩幅を同寸にします。
そうすると袖振りの場所が一定なので振りから長襦袢や着物が出てきません。
くりこし
羽織くりこし=着物くりこし+2分
着物の上に重ねますので生地の厚み分くりが大きくなっています。
後幅
羽織後幅は着物と同寸です。
その他
その他は基本的に共通寸法なので印付けと共に解説します。
着物の寸法はこちらにまとめて解説していますので、こちらの寸法表を参考にして測ってみてください↓

裁断の置き方
裁断は右側から測ってじゃばら折りにして置いていきます。

リメイクの場合、もう切れていますので順番に台の上に並べて寸法が足りるか確認してください。
反物の裁断や印付けに便利なのがこちらのヘラ台です↓
ヘラ台は蛇腹に折ってあるので机の上に広げて使います。
裁断寸法
長さがあるか確認します。
身頃
身頃=羽織丈+くりこし+衿付けゆるみ5分+裾返し5寸+前下がり7分
衿
衿=羽織織丈+8寸
着物の衽を使います。
袖
袖= 袖丈+縫い代
前下がりについてちょっと解説
羽織は前見頃の衿付けの所だけ長さが長くなっています。
本当は前下がり分は前見頃だけでいいので裁断の時に台の右側に前下がり分を出して置いて裁断をするのが正式ですが、
間違えて前下がりを切ってしまうと丈が足りなくなってしまうので、今回は着丈を切る時に前下がり分を入れて切っています。
和裁を習っている方のためにちょっと解説でした。
印付け
まずは浴衣と同じように背縫いの糸印もしておきましょう。
リメイクの場合、元々の背縫い側を背縫いにします。

汚れなどがある場合、左右前後を差し替えできますが、
必ず新しい前見頃側に以前の衿肩明きの切り込みがあるように確認してください。
①身頃を中表に2枚重ねて広げておきます。

浴衣や着物と違って広げて印を付けるので気を付けてください。

②右の布端から5寸の所で折り返して裾返しにします。

③裾返しを折った所から左に肩山を取ります。

④以下の順に印を付けます
- 背縫い
- 裾で後ろ幅+1分
- 肩巾+1分5厘
- 肩と後ろをつなぐ
- 袖付け、身八ツ口
- くりこし、丸みを書いて衿肩明き

衿肩回りの印はこちら


丸みの型紙はこれを使います
⑤前身頃を2寸6分でかき落とし(切ることです)

かき落とし後、前の印付け。
- 前幅(後と同寸)
- 肩山と裾をつなぐ
- 袖付け、身八ツ口
- 肩山と紐付け位置をきちんと書いておいてください
- 裾の裾返しを測って切る
- マチ丈を測る

マチの印付け
前見頃の手前部分のかき落とし2寸6分で切った布でマチを作ります。
2枚中表に揃っていると思うので重ねたまま印を付けます。
マチ丈= 羽織丈+くりこし+5分-袖付け-見八ツ口
かき落としは長いのでマチ丈+縫い代+裾返し、と
袖口布7寸5分の輪 で切ります。

リメイクの場合、かき落としに元の衿肩明きが切れているので気を付けて
写真上が耳になるように置き、

- 左は5分で折り
- 右は裾返しの5寸を三つ折りに折ります(動画は後で三つ折りにしています)
- 左右ともに生地の中央に針を打ち、
- 右(裾側)は8分ずつ
- 左(身八ツ口側)は中央から上に6分で印を付け
- それぞれつないでおきます
マチの幅は切らずにこのまま付けます。
袖口布
袖口布は7寸5分の輪で2枚切ります。
かき落としから取れない場合はかけ衿から取るか接ぎ合わせて用意します。
衿の折り方はこちらです
羽織の衿折りは以前解説しましたのでこちらの記事をご覧ください↓

縫い方はライブで解説しています
袖の印は縫いながら付けます。印付けの難解な部分と細かい点についてもライブで解説します。
装々さんのライブチャンネルは、国家検定一級和裁士が縫い方を解説しながらまったりおしゃべりしながら、和裁やお裁縫の上達ポイントを解説しつつ、質問に答えますというカオスなチャンネルです。
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袷の羽織の作り方が知りたいという方はこちらへ↓
単衣が縫えたら袷羽織に挑戦してみてください。

ということで最後まで読んでくださってありがとうございました。
着物仕立て装々でした、バイバーイ。
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