着物仕立て装々です。
灼熱の暑さの2021年オリンピックの聖火と共に暑さも和らいで…と思いきや
毎日、しとしと雨続きで蒸し暑いですね。
あの猛暑の最中、せっせとお客様のゆかたを仕立てていました。
柄合わせが良く分かるように写真を撮りましたので紹介します。
2021年 浴衣の仕立てのお仕事
赤の浴衣 金魚カワ(・∀・)イイ!!
初めはこちらの赤の浴衣です。黄色の金魚と白の水紋がポイントです。
完成したのがこちら↓
左衽は膝の所にポイント柄が来るように柄合わせをします。下の写真の水色の印の所です↓
後ろ見頃はこんな感じ
浴衣の柄は右見ごろと左見ごろそれぞれ隣り合わせに同じように右肩から腰へ水色の線のように流して柄を配置するのが一般的です↓
白い博多帯や黄色の可愛い帯で印象が変わりそうですね。
それにしても衿先と妻下の完成度の高さよ!!
まっすぐ始末してあるので、ちょっとプロっぽいのでついでに紹介してみました。
まっすぐ縫いあがると気持ちいいですね。
お揃いマスク
余った生地で浴衣とおそろいのマスクを作りました。ほっぺたがぐるぐる渦巻きにならないように
途中で縫い接いであります。
金魚の部分が余らなかったので、裏地は黄色いガーゼにしました。
浴衣とコーディネートした時に赤と黄色で
馴染みやすくなっています。
紺の浴衣 団扇柄
2枚目の浴衣。ぶっちゃけ浴衣は【竺仙】に限る。(装々さんの個人的意見です)
竺仙 ちくせん と読みます。伝統的な柄がとても美しいブランドです。
布も柔らかくしなやかで、素肌にしっとりとなじみます。生地の厚さも厚すぎず薄すぎず。
どれもとっても上品です。
柄合わせはこんな感じです↓
柄がみっちりあるので簡単に柄合わせできると思いきや、透け団扇と白団扇が重ならないようにいい感じにずらすのに結構苦心しました。
ゆかたの柄合わせあるあるですね。何年たっても浴衣の柄合わせは奥が深く、とっても楽しいです。
習いたての時は一日中掛かった柄合わせは拷問、苦行でしかありませんでしたが、
20年以上和裁士をしています装々さんが断言します!
浴衣の柄合わせは和裁技術の最上位のひとつ です。
大切なことなので赤い文字にしておきます。
何枚も何回も繰り返し練習しないとできるようにはなりませんので、
修行中の方はめげないで楽しんで柄合わせしてください。いつかパズルを解くような感覚になれますよ。
後ろ見頃をじっくり見ますと こちらも右肩から腰にかけて斜めに白い団扇が流れているようになっています。え?
見えない?
まあ、自己満足の世界ではあります。
こちらは、小柄なお客様の浴衣だったので、居敷当ては同じ生地のたくさん余った残布で付けました。
このように残布を縫い付けておくと行方不明になりませんので、仕立て直すときにお端折りに縫い込んで大きいサイズにしたり、接ぎあてに使ったりできるので一石二鳥です。
写真をよく見ると柄がずれているので分かりますか?50cm程の布が背縫いのお尻の部分に付いています。
ちなみに身長150cm位以下の方の時は胸のところで「揚げ」と言う部分を作って
布の長さを縫い込んで後で簡単に大きく出来るようにもなっています。
竺仙様のHPはこちらです↓
ホームページ見ているだけで癒される美しい柄です。
お出かけ用に1枚上等な浴衣を誂えておくのも良いですね。
長襦袢や嘘つき衿などを重ねて単衣着物でも通用する上品さです。
大人可愛いの最高峰 ミント&紺のコラボ
3枚目はこちら。
装々さんの動画や仕立てたものをよく見てくださってる方はもうお分かりだと思いますが、こちらが装々さんお気に入りの一枚です。注:お客様の浴衣です。
完成しましたのがこちらです↓
左の膝の所のポイントは外せません。
後ろ見頃の柄の流れが一番分かりやすい浴衣ですね。このようにしておくのが一番着た時に柄が美しくなります。
背中の柄をきちんと流しておくと 自然と前見頃の柄がきれいにそろいます
もう一度前見頃の写真をご覧ください↓
丸い柄がいい感じで飛び柄になっています。
こちらのお客様の身長はやや高めなので、居敷当ては新モスです。
新モスや晒は着物の反物と同じ幅なので、布の端が耳になっていて解けてこないので 居敷当てに最適です。
こちらもお揃いマスク
綺麗な紺色も一緒に使いたかったので継ぎ接ぎしてみました。
それにしても綺麗な色ですね。
実は涼し気な紗の生地で ちょっとベージュとグレーがかった生地なのです。
裏は紫のお花柄のガーゼです。大人可愛くしてみました。
ついでにもう一枚。こちらはちょっとシャープな感じの柄合わせです。
洋服にもあいそうですね。
裏は先程と同じガーゼのピンクのお花メインにしてみました。
浴衣地のマスクはこんな感じです。
先ほど紹介した紺色の竺仙の浴衣は縫っているときにちょっと指が紺色に染まってきたので
マスクは作りませんでした。顔が青くなっちゃいますからね。
いつか藍染も色落ちしなくなるんでしょうか。
最近の技術革新は素晴らしいので とっても楽しみです。
着物をリメイクして手作りマスクを作る危険性について
着物の端切れはとっても美しくて色々活用したくなりますよね。
ただ、マスクを作るのはちょっと待って!
プロの和裁士が着物の端切れでマスクを作るのに抵抗がある理由はこちらの記事をご覧ください↓
手芸屋さんで販売している木綿の生地でも和柄の素敵なものがありますので、そういう安全で清潔な生地でマスク作りをお勧めします。
最近のお気に入りは左の大島紬柄の綿の生地です。
右側も木綿の着物の様でとっても素敵です。
忘れちゃならない 装々さんの浴衣
今年は動画撮影用にゆかたを新調しました。
ということで最後に装々さん個人の浴衣です。
そういえばちゃんと着て全身写真撮ってなかったな…。
ゆかた用バッグのサムネ用にとったのがありました。
一緒に写っているバッグの作り方はこちらです↓ ぜひご覧ください。
そういえば20年ぶりに丸みを新調しました。
いつも使っているので気が付かなかったけど、丸みの型って結構堅かったのね。ずいぶん酷使していたのでクタクタになっていたことに驚きました( *´艸`)
後記
とまあ今年の夏の浴衣はこんな感じです。
後は打掛の裾直しと新作の舞台衣装にとってもかわいい打掛を作ったのですが
こちらは舞台の幕が開いてからのお楽しみ、今は秘密です。
まだまだ仕立て物が立て込んでいまして、あとちょっと体調が良くないので
動画をお休みしています。体力回復して早く皆さまとお会いしたいです。
いましばらくお待ちください。
最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。ばいばーい。
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