和裁士の仕事紹介
こんにちは。国家検定一級和裁士 着物仕立て装々です。
今年の2月3月は貸衣装屋さんのお仕事で卒業式の袴と着物のセッティングをしていました。
たくさんの着物にうずもれて幸せなお仕事です。
同時にお家でチクチク縫い物をしていましたので順番に紹介します。
多忙だったので今回は2か月分の仕事を紹介します。
装々さんのお仕事紹介します
貸衣装 卒業式の袴 男物編
最初は貸衣装のお仕事紹介します。
3月は卒業式シーズンなので袴のレンタル最盛期です。
お客様が気に入ったコーディネートの写真に従って後日セッティングしていきます。
男物の紋付も色々な色があって個性が出ますね。
裄丈が大きい時は裏から縫い摘まんでおきます。袖付け線を縫うので揚げをしたのが分かりにくいんですよ。
↑袖付けの所で揚げがしてあります。子供の肩揚げを裏向きにつまんでいる感じです。
表から見ても分かりにくいでしょ?
プロの技です✌
貸衣装 結婚式編
こちらは結婚式の打掛です。ほつれを直してアイロンがけをして納品します。
刺繍の細かさ、美しさをご覧ください。
↓同じく結婚式。こちらはお母様の留袖です。もう春ですね!
箱に着物と長襦袢、帯と小物をセットしてホテルや美容室に納品します。
ここからは美容師さんのお仕事です。
貸衣装 卒業式の袴 女物編
この大量の着物と袴を見てください!!
これを全部アイロンかけして寸法checkして揚げをしてセッティングしていきます。
↑展示会の終わった着物と袴。埋もれられて幸せになります(ドMかよ)
↓こちらも写真と伝票に従ってピッキング、セッティングしていきます。
最近の袴は可愛いですね。
袴は一枚ずつ長さの確認。身長と履物(草履かブーツ)に合わせて紐下で縫い込んだり長い袴と交換したりします。
ひだを綺麗にアイロンかけるのが一仕事です。
↓半襟も可愛い。洗って長襦袢に付け替えします。
貸衣装屋さんは重ね衿も選び放題です。幸せすぎるんよ。
↓1セットはこんな感じです。着物と袴、長襦袢に小物。帯と草履&バッグも忘れずに。
↑これで4分の1くらいのセットです。全部で100セット以上作りました。
ちょっとピントぼかしてあるのはお客様名が入っているので。個人情報保護です。
↓装々さん一番の着物はこちら。華やかでカワ(・∀・)イイ!!。
もう数十年若かったらにあったに違いない。尚おばさんには似合わない模様( ´艸`)
裄直し その1
さてさて、ここからは和裁士のお仕事。
裄直しをした赤の小紋着物。
写真左側の重なった袖、下の方が直した方の裄です。
縫い代いっぱいに大きくしまして3cmほど大きくなりました。
裄直し その2
こちらの紫の小紋の裄直しは身八ツ口のちょっと下から大きくしたので、衿納めを解いて
袖を付けなおしました。
総絞り着物
やっとこさ 着物の仕立てのお仕事です。
渋いグリーンとエメラルドグリーンの総絞り。シックですね。
↓完成で~す。
昔の絞りは赤やオレンジ、黄色って感じですが、今はこんなシックな絞りがあるんですね。
最近絞りの良さにハマりそうで怖いです(財布的な意味で)
絞りを拡大するとこんな感じ。
分厚い生地にしっかりとした絞りでとっても暖かそうです。
総絞りはコテ跡が見えにくいので全部チャコで印をします。ちょっとメンドクサイ(-_-;)内緒。
小紋着物
続きまして小紋着物です。またしてもグリーンですがうって変わってさわやか系です。
袖口や八掛の濃いグリーンがそそられます。
完成はこちら↓
何ともさわやかで白檀の香りでも漂ってきそうな着物ですね。
装々さんお気に入りの一枚です。
紬着物
こちらの紬を見てください!
一見茶色のナチュラル系の反物ですが
表縫いをしましたらまるで木のある暮らし!木目調の着物になりました。
完成が素晴らしいんで、あとでお楽しみに。
ってことで表縫いの前段階に戻りまして、裁断後は柄合わせ。
色の濃い横線が被らないように配置します↓
↓裁断柄合わせをしたら印付けをして縫い始めます。
表縫いは先述のとおり
完成で~す。
思った以上に木のある暮らし着物です。
これ、どんな帯が似合うと思いますか?ものすごい色々帯を許容する着物だと思うのです。
濃い色の黒や茶、緑で秋冬のシックに。
淡い桃や水色で春らしくさわやかに。こういう帯で着物の表情がすごく変わる着物を一枚持っていると便利ですね。
ということでまた欲しくなってしまった1枚でした。
ちなみに超高級着物です(´;ω;`)ウッ…
裄直し その3
またまた裄直しです。
こちらのお客様は小さいサイズを標準的なサイズに直すので袖を取って振りを大きくして
袖を付けなおします。
裄直し その4
同じく裄直し。孔雀柄の大島紬です。
袖付けだけで裄を直すときは 左袖に返し口を開けで胴抜き長襦袢のように仕立てます。
右側は背の中綴じを少しだけ開けて引っ張り出して縫うと縫うところを最小で直せます。
裄直し その5
エンジ色の大島紬です。
2cmほど大きくしましたが、手首のぐりぐりが出るか隠れるかで着物のピッタリ感が全然違います。
あともう一枚レースの単衣着物の裄直しをしたのですが、写真の撮り忘れ(-_-;)
訪問着
濃紺に白の花の刺繍が浮き上がって見える訪問着です。
柄合わせは少な目。印を付けていざ仕立てます。が、ピントがズレすぎなんよ_| ̄|○
ってことで完成で~す。
なんて美しい濃紺なんでしょう!
ちなみにこういう刺繍柄は刺繍糸が重いのでつり合いががっちゃガチャになるので難易度高めです。
後姿はこんな感じ。素敵です。
訪問着 その2
続きましてこちらの訪問着はちょっと納期が長く預かれたのでYouTubeで柄合わせ解説してみました。
YouTubeライブ 訪問着の柄合わせ解説
まずはメインチャンネルで着物の地直しの解説をしています。
着物はお預かりしたらまず全部アイロンがけで生地を縮めておきます。
無地も小紋も紬もぜーんぶ地直しをするので、着物の仕立て初心者の方はぜひご覧ください。
次の動画は地直しした後の柄合わせの方法をライブで解説しました。
どんな柄でも同じやり方なので、ちょっと和裁にブランクがある方もぜひcheckしてくださいね。
完成しましたのがこちらです↓
何とも春らしいかわいらしい着物ですね。
袷長襦袢
上記の訪問着とセットの長襦袢です。長襦袢用の薄いピンクは大量に縫うので大巻のピンクの糸を使っています。
久しぶりに縫った長襦袢、スッキリできたので褒めてください(笑)
訪問着 その3
辻が花の訪問着です。地糸に金糸と銀糸が入っていて 控えめにキラキラ綺麗です。
最近の着物は八掛が白なのが多いです。流行なんですか?
ってことで完成で~す。
反物で見るよりうんとシックな着物ですね。
三味線袋
以前三味線袋を仕立てたお客様からの再依頼です。
大島と総絞りと八掛の解いた生地を送って頂きました。
これをお客様のリクエストと生地の長さを考慮しまして細かいデザインを決めていきます。
で、出来上がったのがこちらです↓
裏地の総絞りがカワ(・∀・)イイ!!
三味線袋の作り方はこちらです
振袖
古典柄の振袖ですが、グレーの地色が今っぽいですね。
お花がみんなナチュラルな色なので落ち着いてかわいらしいです。
柄合わせして印を付けたら必ず表縫いを先にします。↓こちらの表はもう縫ってあるところです。
左の肩とかけ衿の柄です。この後で袖付けの柄合わせをきちんとしてから袖を作ります。
↓お袖もかわえぇ。
完成で~す。
今時っぽい振袖でした。この振袖も帯を選ばない感じですね。
何年も長く着れそうな一枚です。
リメイク
まずは今回のリメイク素材をご覧ください。
ウールの羽織と
化繊の道行コート
男物の長襦袢と
紫の道中着
全部解いてアイロンで伸ばします。
リメイク 長襦袢&道行コート→羽織
羽織は男長襦袢の柄を生かして超ロング丈
袖口はリバーシブル道中着の片面とお揃いの生地です。
完成で~す。
羽裏に使った紫がポイントですね。
道行コート&羽織→リバーシブル道中着
こちらはウールと化繊のリバーシブル道中着。
茶色を羽裏にするのがもったいなかったのでリバーシブルにご提案。
衿も先に両面仕立てにしてから付けます。
紐も可愛い。
出来上がったら押しをするのですが、仕立てがたまるとたとう紙の中が渋滞します。
完成で~す。
どうでしょうか?
可愛いですね!
多分すごく暖かいと思います。
ボディーに着せてみました。
ね、かわいいでしょ。
もう一面はこんな感じ。素敵!!
単衣長襦袢
紬セットの長襦袢です。
これまた素敵な色です。ちょっと濃い目のカッターシャツみたいな感じの色目です。
完成はこちら↓
単衣でさらっと着れそうな一枚です。
久しぶりに袖口のくけをしたのでパチリ。
2~3㎜間隔で細かくまっすぐくけます。プロの技(*^-^*)
紬着物
女物で珍しい通し裏の紬着物です。
裏地は全部真っ黒です。粋ですね。
完成で~す。
男物のように全部黒の袷着物でした。
本当に粋です。どんな方が着られるのかしら?
いずれにしても着物上級者には違いない。
今月の頑張り
使い終わった糸の写真を置いときますね。
装々さんおすすめの和裁道具はこちらです↓
おまけ
結構一杯仕事をしたので気分転換にアロマオイルを買いました。
このお店のイランイランは嫌味がなくていい香りです。
↓お客様に頂いたアロマキャンドル。柑橘系のいい香り(⋈◍>◡<◍)。✧♡
ありがとうございました<(_ _)>
只今振袖仕立て中です。仕立て終わったらツイッター&インスタで紹介していますので
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最後まで読んでくださってありがとうございました。
着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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