和裁士の仕事紹介
こんにちは。国家検定一級和裁士の着物仕立て装々です。
毎日寒いですね!本当に寒い。装々さんは寒いの苦手なのでこれ幸いにと自主自宅待機という名の
猛烈な仕立ての仕事をしています。ほぼ自宅警備員24時間体制です。
けども、ずっとお家にいるのになぜか最近流行の胃腸風邪になったようでどこから頂いてきたのやら…。スーパーで買い物もいかんのか!ってことで後半はちょっと調子が悪くペースが落ちてしまいました。
皆さまも風邪を引かないように気を付けてくださいね。
では、今月もプロの和裁士が仕立てた着物や羽織を紹介します。
装々さんの仕立てたお仕事紹介します
①男物の二部式着物
今年の縫い初めには以前お預かりしていた舞台衣装の男物の二部式着物です。
見てお分かりのようにとっても大きいサイズで真っ白の為、写真映えが良くなかったのと
大きすぎて写真が取れなかったので完成品の写真はなしです。すみません。
YouTubeで着物を二部式にリメイクするのを解説していますのでよかったらご覧ください。
②大島紬 その1
毎年の事ながらいつもお仕事を頂いている呉服屋さんの新年は大島紬から始まります。
見てください、このドドーンと届いた反物たち。
表地と、裏地と八掛の3反で一枚分の着物になります。セットが分からなくならないように紙にくるんで紐で結んであります。
では9マルキの高級大島紬をお楽しみください(*´ω`*)♡
一枚目はこちらの白の大島紬です。新作の現代柄ですね。とってもかわいい!
裁断、印付けをしたのが↓です。一緒に使う糸も撮影することにしました。
表と裏を縫ったところ↓
大島紬は意外と伸びたり縮んだりが激しいので、表は縫い終わったらアイロンでしっかりとキセを掛けておきます。
八掛がぼかしなのでちょっと縮むのでゆるみは1分5厘足してあります(専門家だけに分かる秘密の暗号w)
完成で~す。カワ(・∀・)イイ!!
こちらが出来たてのホカホカというかふかっふかなのでこのままでは納品できません。
アイロンをかけて、厚紙に挟んで丸2日押しをしていました。
着物をたたんで上に座ってぺしゃんこにする訳です。
で、綺麗になったのが↓です。
完成後、押しは大事!これテストに出ますからね。
②大島紬 その2
今度はグレーの額アジサイの柄の大島紬です。
先程の白大島同様コテ跡が全く見えませんので、コテとチャコと同時使用です。
とっても時間が掛かります。
ちなみにぼかし八掛は生地の中でking of 縮む生地なので念入りに地直しで縮めておきます。
完成で~す。
飛び柄の柄合わせ、完璧です(笑)ご参考になれば幸いです。
ちなみにツイッター、インスタでは随時途中経過の写真をUPしていますのでぜひフォローお願いします。
装々さんのSNSで着物縫い途中経過UP中!
②大島紬 その3と4 同生地八掛違い
続きましては同じ表地に違う八掛を合わせて縫ったので紹介します。
一枚は明るい藤色の八掛でもう一枚はワイン色の玉虫色の八掛です。
なかなか同じ着物で違う色の八掛を並べて見ることかないと思うのですが、こうやって並べてみると八掛が違うだけで随分と着物の雰囲気が変わります。八掛選びの参考になったらとっても嬉しいです。
玉虫色の八掛。
角度によってワイン、エンジ、ブルー、紺、黒などに見えます。
八掛の横糸がきれいな水色なのが分かりますか?
とっても不思議ですね。
完成で~す。
八掛の違いをお楽しみください。
ちなみに後ろ身頃はこうなります。
②大島紬 その5
こちらの黒大島を最後にしたのは手が黒く染まるからです(笑)
細かい柄が本当に美しいですね。
市松模様っぽいこの柄の柄合わせもピッタリ合わせましたのでご覧ください。
う~ん、柄合わせピッタリ気持ちいい( *´艸`)
大島紬の完成をYouTubeで公開しています
③舞台衣装 打掛のお直し その1
以前YouTubeで紹介しましたこちらの打掛
お袖を男物のようにしましたので紹介します。
袖付けの長さが長くなって振りが閉じてあります。
③舞台衣装 打掛のお直し その2
同じく袖付けを縫い直ししました。
↓女物の袖付けを
男物のように↓
能狂言の衣装なんかはこんな感じになってますね。
相変わらず色々なお仕事をさせて頂いております<(_ _)>
④単衣羽織 その1
今月後半は羽織を縫いました。
写真は左から単衣羽織、単衣羽織、袷羽織、羽裏、羽裏、袷羽織の反物です。
単衣はレースなので羽裏を付けません。
では裁断して仕立てていきます。
先に身頃を仕上げて最後に衿を付けます。↓衿付け前。ほぼ完成していますね。
衿付け前の衿ぐりはこうなっています。ちゃんと三日月という力布が衿肩回りに付いていますよ。
完成で~す。
実は秋にも同じ羽織を縫っていました。↓の②単衣の羽織 その2
④単衣羽織 その2
装々さんの好きなエメラルドグリーンですね。カワ(・∀・)イイ!!
同じく単衣羽織にします。
羽織の衿付けは衿を緩めに付けます↓
完成で~す。やっぱり可愛いなあ。装々さんには似合わないんですけどね(;´д`)トホホ。
単衣羽織の縫い方、ライブでじっくり解説します
⑤袷羽織 その1
袷の羽織は羽裏を重ねて一緒に印付けをします。
もちろん衿肩明きとかき落とし(衿が付く部分)も一緒に切ります。
かき落としたところからマチと袖口布を取ります。丈が足らなくならないように要注意です!
先に衿折りをしておきます。
羽織の衿折り解説はこちら↓
準備OKです(”◇”)ゞ
最初に羽裏と合わせてマチを付けます。
完成で~す。
水色なのにとっても暖かそうです。模様が地模様だからかな?
ちなみにレース続きとこの冬の感想で装々さんの指のHPは0です。
もうカッサカサで引っかかりそうで大変でした。
この辺で胃腸風邪を患いSNSから消えました( ノД`)シクシク…
⑤袷羽織 その2
風邪を引いたってできる仕事、それが和裁です(笑)
最後の一枚、頑張りました。
たまご色の袷羽織。これも可愛いなあ。
縫ってる間に新しい羽織が欲しくなってしまいました。
羽裏付け、マチ付けが終わったら袖付けです。
最後に衿をつけます。今度じっくり作り方を解説しようと思います。
完成で~す。
出来立てホカホカ。後で押しをして納品しました。
後も可愛い。飛び柄の柄合わせもしてありますよ。分かりにくいかもしてないけれど。
今月の頑張りw
白の大巻糸がなくなりました。縫っている途中で無くなって、アマゾンで急遽40m糸を購入しました。納期ギリギリ焦った焦った(-_-;)
というわけで今月ももうおしまい。早いなあ。
冬は寒くてお家から出られないので仕事が捗ります。
2月は初日から貸衣装のお仕事に出張しまして、その後は個人客様のご紹介のお客様の裄のサイズ直し(大量w)中旬は呉服屋さんの仕立て(年度末決算で大量w)さらにサイズ直し、三味線の長袋製作と続きます。やばい、忙しい、ありがとうございます 。
実は今年の初詣で母が「いつもあなたが買っている熊手はこれ!」と言ってひとサイズ大きい熊手を買ってしまったので激務が続いているんじゃないかと思っています。
ちなみに装々さんの氏神様は熱田神宮の神様です。お膝元なので。
熱田様、張り切りすぎ!これからもよろしくお願いします。
最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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