こんにちは、国家検定一級和裁士 着物仕立て装々です。
久しぶりにブログを見返してみましたら、装々さんファンのお好きな「最近仕立てたものシリーズ」の更新がなんと夏で止まっていましたね。ビックリしました。
お正月休みの間におまとめがてら紹介したいと思います。
最近仕立てたものを紹介します
明治村偉人隊 福沢諭吉さまの羽織
愛知県に明治村という明治時代の古い建築物が移築されている素敵なスポットがあるのですが
明治村には「偉人隊」という歌って踊ってお見送りをしてくれる公式キャラクターがいます。
その中のお一人、福沢諭吉さまの羽織をお仕立てさせていただきました。
まずは衣装の先生から届いた附下を羽織風に柄合わせをして写真を送り、許可をいただきます↓
裄巾も足らないので袖巾に足し布をして幅出しをします。
衣装はダンスパフォーマンスに耐えられるようにミシン縫いにしています。写真は袖付けの部分ですね。
完成で〜す。
薄物の生地なので冬真っ只中の今は着ていませんが
春やあきn
明治村 偉人隊はこちらをご覧ください
↓こちらの動画で羽織を着ていらっしゃいますね。
小紋の胴抜き着物
小鳥が可愛いサイケ柄の小紋着物です。
ちょっと変わった着物ですね。
胴抜きなので身頃の上の方は裏地が付いていません。
最近は暑いので胴抜きの着物が増えてきましたね。
よく見ると一応肩のあたりとか膝のあたりの鳥は上向きになっているんですよ。
柄合わせ大変でした。
花織紬
沖縄県伝統的な織物、花織紬です。
糸の組み合わせて浮き上がった小さな地模様になっている紬です。
繊細な柄が春のお花のようでかわいらしいですね。
こちらも胴抜きの着物です。
装々さんは真横に柄をそろえるより一つずつずらした方が好きなので
袖付けと身頃やおくみ付けは一段ずつずらしてあります。
横線がぼけるのでちょっと痩せ見えするんですよね。
もちろん揃っているのが好きな方にはそろえてお仕立てしています。
小紋着物→二部式着物
こちらの小紋着物を
二部式着物にリメイクしました。
リメイク方法を動画で公開していますので装々さんファンの方はもうご存じの着物ですね。
↑スカートだけでも可愛いですね
↓実は後姿が結構セクシーなんですよ
二部式着物にリメイクの動画はこちらにまとめてあります
留袖→二部式着物にリメイク
お客様がお嫁入にお誂えした留袖ですが、「モモンガコートにしてください」とおっしゃられて
とてもいい生地だったので断固反対して二部式着物にすることをお勧めした一枚です。
そうはいっても切らないと二部式にはならないのでバッサリ切ります。
中についている白の比翼は外してしまいました。
実はこちらのお客様、こんもりと装々さんに生地を送ってくださっていて好きに使っていいとの事でしたので↓
白の比翼の代わりに解いた赤の絞りの羽織をリメイクして比翼にしました。
丈が足らなかったので着物と比翼の間は裏地になっています。
めくれても白の裏地が見えないようになっています。
う~もう可愛い(*´ω`*)♡
袖口の比翼も可愛いんですよ。
先に衿の比翼を縫い付けます。
スカートはこんな感じ↓
どうですか、可愛かろう!!
完成でーす。これが装々さん2023年MVPだと思っています。本当に可愛い!
着物→半幅帯 その1
先程の二部式のお客様の生地の中から赤系統の生地で半幅帯を作りました。
継ぎ接ぎはこんな感じ↓
片面は優しいサーモンピンク&黒で引き締め色の帯です。
裏面はピンクと赤の小紋だったので、比翼で余ったハギレと足してみました。
締め方によっては4色とも見せることが出来ますね。
着物→半幅帯 その2
今度は寒色系の半幅帯です。
同じ様に先に継ぎ接ぎにして
完成でーす。
片面はさわやかにミントグリーンをメインにしてみました。
もう一面は紺色がメインでミントグリーンがさし色です。
動画でリメイクした半幅帯を紹介しています
着物のリメイク モモンガコート
こちらのピンクの訪問着と留袖でリバーシブルのモモンガコートを作りました。
↓なんていうか超ピントがズレてますが、本当に素敵なモモンガコートが出来上がりました。
モモンガコートの作り方はこちら↓
ツイードの着物
カナダ人のお客様がイタリアで買ってきた(なんというパワーワード)LINTONのツイード生地です。
こちらで着物を仕立てました。
すごい容量ですね。
これもめっちゃ可愛いので覚悟してみてください↓
どうですか!可愛かろう!!ヨダレ出ますでしょ?
LINTONのタグが入っていたので右の衿先に縫い付けました。
衿先の字の目がズレているのは生地がビヨンビヨン伸びて縫いにくかったからです。
ちょっとお裁縫上手じゃないと難しいかもしれません。
そして超絶重たいの。でもとっても暖かい。
是非カナダに帰国した際には着て頂きたい一枚です。
FENDIの着物
イロモノが続きますが、今度はLINTONのツイードと同じお客様でFENDIの生地から着物を作りました。
↑下に重ねてあるのが化繊の八掛です。相談の結果、表地と帯とのコーディネートを邪魔しない黒にしました。
↓実はめちゃくちゃ横糸が解けてくるんです、この生地。
衿先の縫い代の写真ですが普段はこんなに解けてこないんですよ。同じように裾が解けてくるので半泣きでマッハで仕立てました。(裾の縫い代1cmです(´;ω;`)ウッ…)
苦心の結果、完成でーす。
カッコイイのが出来上がりました。
こちらも動画で紹介しましたね
関連記事はこちらです↓
洋服の生地で着物や浴衣を作る時の布はどのくらい買う?【着物の作り方】
有松絞り浴衣
有松絞の中での技法のひとつ、杢目縫い絞りの反物です。
縦糸が青で横糸がグリーンなので角度によって色が変わって見えます。
杢目調の絞りはもっと細かいものが多いですがざっくりとした絞りも大胆で素敵ですね。
完成でーす。
単衣着物用だったのか、丈が長かったので袖丈を長くしてみました。
身長が高い方なので袖丈1尺5寸はうれしいんじゃないかと思います。(基本無理なので)
敗れた穴を補修
こちらをご覧ください↓
小さく裂けていますね。
これ小さい裂けなのですが、留袖をリメイクして作ったドレスのなんと胸元なんです。
アイヤー!ってことで急に中国人になってしまいましたがお直ししていきます。
まず裂け目がなるべく細くなるようにして薄い接着芯を貼り、孔雀の羽根の柄に合わせてミシンでたたきます↓
もう親の仇かというくらいミシンで縫います。
ミシン糸が気にならないように羽根の柄に刺繍をするように縫っていきますと
↓こうなります。
指先が穴の部分ですね。
いかがですか?分かりにくくなったでしょ?
ダメージジーンズの補綴の応用です。
少し離れてみるとどこか分からないくらいにはなったと思います。
ちょうど孔雀の目線の先位ですねw
ということで再び舞台衣装として復活したお話でした。
後記
ということで9月、10月あたりのお仕立てを紹介してみました。
ご覧のようにちょっとデザインを考えたり、変わった生地が多かったのと
結構暑い秋だったのですっかり体調を崩してしまいピンボケ写真&ブログ更新をサボっていたわけです。
鉄剤をしこたま飲んで復活しましたので引き続き「最近仕立てたもの」冬編をまとめたいと思います。
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では、最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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