こんにちは。着物仕立て装々です。
今回はあわせ着物を自分で仕立てるときの材料について解説します。
呉服屋さんに依頼するときもに個人的に和裁士さんに依頼するときも同じ様に材料を用意します。
呉服屋さんの場合は表地に合った裏地や八掛をすぐにセットしてもらえるのがいいですね。
持ち込みでお仕立てを依頼される場合は基本的に反物と裏地、八掛を用意すれば後はお仕立てする方で用意してもらえると思います。
自分でお仕立てしたい方は使う材料を細かく解説していますので最後までご覧ください。
袷着物の裁断解説します
袷着物とは
袷着物は表地と裏地が合わさって2重になっている着物です。
秋から春までと長い間着ることが出来る着物です。
最近は暑い時期が長いのですが、袷着物はお正月あたりの着物を着やすい時期のものなので一般的に着物と言えば袷着物ということになります。
表地は着物用の反物一反、
裏地は上部に白い生地の「胴裏(どううら)」または「上裏(かみうら)」と
裾周りに「八掛(はっかけ)」という色の付いた生地を使います。
下の写真の内側に付いた濃い紺色の布が八掛です↓
浴衣の次に縫える着物解説 和裁難易度ランキング
着物を仕立てたいけど何から縫っていいか分からない方はこちらのランキングをご覧ください。
袷着物から縫うのはちょっと無謀です。
着物は洋服生地と違って間違えると新しい生地を少し買うということが難しいので、順番にお仕立てレベルを上げていくといいですね。
↓浴衣の次に縫いやすいものや生地別の特徴などをまとめてので参考にしてください。
まずは浴衣か単衣着物を仕立てて、着物のパーツを理解してから袷着物を仕立てると失敗が少ないです。
洋裁の袷のジャケットやワンピースが縫える方は浴衣→袷着物でも大丈夫だと思います。
袷着物に必要な材料
着物用の反物を一反
特に記載がない場合、反物は着物用の反物です。
羽織やコート(羽尺)、長襦袢の反物は長さが違いますので気を付けてください。
着尺と書いてあることもありますね。
大人用の和服一着分の用布を一反(三丈もの)といいます。
着尺の一反は幅約37センチ、長さ約12m50cmくらいが標準です
紬の表地
正絹の表地
身長が163cm以上の方や裄が長め好きの方の表地と裏地はクイーンサイズ、または幅広の反物を使うでやんす
洗える着物 ポリエステルの表地
表地が紬絹、ちりめん正絹の場合は絹の胴裏と八掛
表地が紬木綿、ポリエステルの場合は化繊の胴裏と八掛を買ってくださいませ
胴裏
正絹の胴裏
化繊の胴裏
八掛
正絹八掛 無地
化繊八掛 無地
表生地についての注意点
表生地は無地、小紋、大島紬から附下、訪問着など色々ありますが、基本的には着物の反物を買えば大丈夫です。
初めて袷着物を仕立てるときは扱いやすい紬か
柄合わせのない無地か小紋がおすすめです。
無地は印が見やすく、小紋は縫い曲がりや仕立ての難が分かりにくいです(笑)
附下、訪問着などの柄が横につながっている絵羽ものは柄合わせをしないといけないので初心者様には難易度が高め。
↓絵羽の柄合わせはこんな感じです
和裁教室に通っていればワンチャンあるかもしれませんので先生に相談してください。
絵羽ものよりは無地の振袖の方が仕立てやすいと思います。
八掛に関しての注意点
八掛は体型に関係なく基本的に同じ長さで裁断しますので、似たような寸法のものを売っています。
特に気にすることはありません。
安い八掛を買うと若干短いことがありますので身長165cm以上の方は販売サイトなどでなるべく長いものを買うと丈を考えなくてもいいのでいいですね。
精華、紬用 無地八掛、ぼかし八掛、 って?
八掛の種類は柔らかい精華(絹の一般的な八掛)と紬用の少し張りのある生地のものがあります。
無地八掛は一色に染められた八掛です。紬用は無地のものが多いですね。
初めての袷は精華でも紬用でも無地八掛の一色の八掛がおすすめ。
寸法に合わせてサクサク切れるからです。
ぼかし八掛はぼかしに合わせて台に置き、寸法が足りるか確認します↓
衽八掛と袖口、衿先布を裁断して、身頃ぼかしの中央で裁断して
衽は
半分に切って
高さを合わせてさらに裁断をします。B級品などはぼかしの高さが結構ずれていて合わせるのが大変です。
ぼかし八掛は少し慣れてからの方が無難ですね。
間違えて切ってしまうと何とも使いようがないのが難点です。
無地は最初の台に置いたら後はパーツごとに大きさに裁断するだけなので難易度低めです。
化繊の八掛にも無地とぼかしがあります。
こちらも同様に無地から使ってみることをお勧めします。
絹の紬用八掛
絹の紬には
絹の紬用八掛。
と思いきや精華の八掛でも大丈夫です。
紬用の八掛の方がハリがありシャープな印象になり、
精華は柔らかいので優しい印象になります。
精華の八掛はたくさん色の種類があるのがいいですね。
紬用の八掛は大島紬などによくついている八掛で、若干擦れやすいので裾にすりきずができやすいのがたまにキズ。
ですが紬や大島のシャープなラインは紬用八掛ならではのものです。
ご自分の好きなテイストの八掛を合わせてみてください。
逆に正絹のちりめん、たれものの表地時に紬用の八掛を付けることはありません。デザイナーさんが何か意図をもって使ってる特殊なものです。
装々さんは見たことないです。
生地のほかに必要なもの
自分で仕立てるときはこちらもご用意ください。
〇裾芯 三つ衿芯
さらしや新モスがいいでしょう。
〇スナップ
〇表地と同じ色の糸と白糸
綿の紬、化繊の生地は化繊糸
絹地は絹糸を使います。
基本的に厚紙に巻かれた絹のまき糸1個で着物一枚縫うことが出来ます。
縫い曲がり、お直しに自信がある方は糸の消費が激しいので2個買ってもいいかもしれません。
化繊の巻き糸は長いので1個で十分です。
装々さんおすすめの和裁道具はコチラ↓糸もこちらで紹介しています
使いやすい和裁道具や糸など紹介しています。
初心者向きの道具は必要になると思いますので是非チェックをしてみてください。
初めてで仕立てやすい生地は
紬と正絹と化繊について
仕立てやすいのは綿の紬です。
初めての袷は綿の紬、化繊の胴裏、化繊の無地八掛のセットが最安の最強です
紬は仕立ての前にアイロンがけをして地直しっぽいことをすますが、基本的にあまり地の目は悪くないのでお仕立てできると思います。
少し厚みがあるので衿付けが曲がりやすいので注意です。
化繊の着物=洗える着物と記載されているものはほとんどポリエステルで化繊の着物です。
化繊の着物はシャリシャリとして生地同士が滑りやすく布端をそろえにくいのでちょっと縫いにくいです。
そしてコテで印も見えにくいです。チャコでしっかりと印を写しておきましょう。
化繊はアイロンやコテで溶けてしまいます。必ず中温以下にしてください。
アイロンの形に穴が開くから本当に気を付けて!!
正絹、ちりめん(たれもの と言います)は仕立ての前にしっかりと地直しをします。1mあたり1~3cmほど縮みます。
ということは先に縮ませておかないとコテ掛けのたびに たて縫いの所が縮み、
着物を着たら体温で縮んでしまうので引き攣れた感じのシワシワ残念な着物になってしまいます。
初めての時には少し難しいかと思います。
袷着物はつり合いが難しいので正絹の袷着物を縫う前に先に正絹の単衣着物と正絹の袷長襦袢は縫っておきたいところ。
後記
ということで年明けに96歳のおばあちゃんを見事大往生にて天のおじいちゃんや親族の元に送り、最近何かと慌ただしくお礼回りに動き回っていたら風邪を引いたらしく、
今日は春の嵐で朝から大雨で仕立ての仕事はサボってブログ更新しよう!
袷着物の裁断の解説をしよう!と思ったら材料の話で終わってしまいました。
まーたやります詐欺の装々さんですので裁断の解説はいつになるやらですが
袷着物の作り方解説をしていきたいと思いますのでお楽しみにしていてください。
とりあえず手始めにゆかたを仕立ててみないと始まりませんので
まだゆかたを縫ったことがない方は今年の夏に向かってお仕立てしてみてくださいね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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