振袖の袖丈の計算方法と着物の袖丈解説
こんにちは。着物仕立て装々です。
最近振袖の仕立ての仕事が続いています。
どの反物もとっても綺麗で可愛くって縫うのが楽しいです。
というわけで今回は振袖の袖丈の長さの解説をしようと思うのですが、
ついでに和服の色々袖丈を解説しちゃいます。
お袖の印付け、縫い方は後日ライブチャンネルで解説しようと思います。
着物のお袖解説
着物の袖丈
着物の袖丈は用途や好みによって変わります。
まずは着物の袖丈ってどこですかってことですね。
袖の下に長い部分が袖丈です。袖口の下にある丸い部分を「丸み」といいます
この袖丈の長さを解説していきたいと思います。
袖丈いろいろ
普段よく見る標準的な着物の袖丈は49.2cm(1尺3寸)です。
↓ウールや紬など普段着で袖が邪魔になるときは45.5cm(1尺2寸)~47.4cm(1尺2寸5分)で仕立てます。
身長が165cm以上ある方の訪問着などおめかししたいときは53cm(1尺4寸)
で仕立てるととっても華やかです。
↑装々さんは1尺4寸好きです。
基本的に着物の袖丈は若い方は長め、年を経るごとに短くなっていくようになっていますが、
普段着のウールや紬は1尺2寸~1尺3寸(丸みを大きくすることもあります)
訪問着、付け下げは1尺3寸
身長の高い方の着物は1尺4寸
という感じでいいと思います。
まあ、袖丈は好みの問題なので、よくわからない方は1尺3寸の49.5cmが間違えがなくっていいと思います。
↓こちらは56.8cm 1尺5寸のお袖です。
振袖の袖丈
独身女性の正装は本振袖です。
本振袖というのは身長から割り出した袖の長い振袖のことです。
↓以前装々さんが縫った振袖です。
割り出し方は
身長−46cm
長襦袢の身丈は身長から−32cmなので長襦袢の丈より14cm短くなっています。
腕を下ろしても袖が床につかない長さになっているわけです。
中振袖
最近はあまり仕立てないのですが以前は袴に合わせる短めの振袖は中振袖という着物でした。
身長×0.85−34cm
コスプレや舞台など正装ほど華やかではなくていい時は中振袖がおすすめ。
本振袖よりは動きやすいですよ。
長襦袢の袖丈
本振袖長襦袢の写真です↓身丈と袖丈の長さがあまり変わらないのが分かりますね。
長襦袢の袖丈は
着物袖丈−5mm
これはどの着物の袖丈でも同じです。
↓普通丈49.5cm(1尺3寸)の長襦袢です。着物の袖丈より7mm短く丸みがない仕立てです。
長襦袢の丸みは着物の丸みが3cm以上あるときは丸みを付けないと振りから長襦袢が出てきてしまいます。
丸みを大きくするときは長襦袢の袖にも丸みを付けましょう。
卒業式の袴に合わせる着物
高校、大学の卒業式の袴に合わせる着物の袖丈は
76cm(2尺)
です。これは最近流行したものです。
振袖以外の着物を買わせようと呉服業界と貸衣装業界の陰謀です。お陰様で装々さんの仕事がいっぱいあるわけです。
袴の時の袖丈は特に決まりがあるわけではないので、普通丈の着物の無地や小紋、訪問着や本振袖でもOKです。
宝塚の方のように喪服の紋付に袴もかっこいいですね。
昔は喪服を仕立てた後に最初にお葬式に着ると悲しみが続くといわれていて
卒業式の袴に合わせてハレの日に着たのだそうです。(真偽不明w)
卒業式はハレの式典なのでウールや紬など普段着はそぐわないので絹のたれもの(やわらかい着物)と袴を合わせるようにするといいですよ。
羽織やコートの袖丈
羽織やコートの上着は帯を締めた着物の上に羽織りますので袖丈が短くなります。
帯を締めるだけで意外と袖丈が上がるんですね!
羽織ものの袖丈は
着物袖丈−2cmです。
持っている着物の一番長い袖丈に合わせて仕立てて振りの下をくけておくのもいいですね
次回 袖の印付け解説します
お楽しみにしてください。
ってことで装々さんは急ぎの仕事が入ったのでGWは引きこもって縫います。
最後まで読んでくださってありがとうございました。着物仕立て装々でした。バイバーイ。
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